美容室の星条旗
- Shinyong the Chameleon

- 3月13日
- 読了時間: 6分
(今日のブログはちょっと長いです)
みなさんは、アメリカ人は
日本人のことをどう思っているのか、
気になったことはありますか?
旅行でアメリカを訪れたり、
そんなことをふと考えてしまうかもしれませんね。
日本とアメリカは物理的にも
文化的にも遠い存在ですから、
お互いの理解にはどうしても距離が生まれます。
私は現在住んでいるミシガン州と、
ここの人々がとても好きです。
もちろんさまざまな人がいますが、
総じて温かく、親切な方が多いと感じます。
デトロイトという歴史ある街は、
つい数年前まで「全米犯罪都市第6位」という
不名誉な記録を持っていましたが、
今では再開発が急速に進み、汚名を返上しつつあります。
活気あふれる復興の街として
生まれ変わろうとしている姿は、
本当に素晴らしいものです。
一方、内陸部では今なお
「古き良きアメリカ」の雰囲気が
色濃く残っています。
昨日、いつもの美容室で
とても心温まる出来事がありました。
私の担当スタイリストは、
スキルが抜群で今どきの感性を持った
若い白人男性です。
英語に不慣れな私にも
いつも丁寧に接してくれます。
キャリアのことで悩んだとき、
友達ができたとき、
運転免許を取ったとき、
帰化したとき——
節目ごとに一緒に喜んでくれました。
彼は多様性の時代を生きる若者らしく、
独特のジョークや話題が大好きです。
私のドラァグクイーン姿も
「最高!」と絶賛してくれます(笑)。
そんな彼との時間は、いつも笑いが絶えません。
柔軟な考え方を持ちながらも、
プロとしての芯がしっかりしていて、
とても優しい人気スタイリストです。
(予約がなかなか取れません!)
共通点が多いので、政治の話や
世の中の話題も気軽に共有しています。
意見が分かれることもありますが、
お互いを尊重できる関係は、
私にとって本当に大切な財産です。
先日Xでもつぶやいたのですが、
私はアメリカ国歌が
どうしても覚えにくいのです。
それを美容室で何気なく話したところ、
彼がとても小さな声で
「アタシだって覚えてないわよ!」
と笑いながら返してくれました。
「ちょっと話題間違えたかな……」と
一瞬気まずくなったのですが——
そこへ、別の黒人の女性スタイリストが
話しかけてきました。
なんと今夏、初めて日本に
家族みんなで旅行に行くそうです!
大人数で!
「日本人は外国人を嫌う?」
「アメリカ人には好意を持ってる?」
「トランプ大統領ってどう思ってるの?(笑)」など、
政治から文化まで次々と質問が飛んできます。
私は
「人それぞれだけど、一般的には
日本人はアメリカという国や文化に
比較的良い印象を持っているよ。
ただ今の政治や国際情勢については
懸念を持つ人も多い。
それは自然なことだと思う」と答えました。
「でも、リスペクトを示せば
丁寧に返してくれる国だよ。
そこはアメリカと同じだと思う」と付け加えました。
その後、長時間フライトの大変さや
温泉の話などで盛り上がり、
「あ、日本語も教えてもらわなきゃ!」と言われた瞬間——
私の担当くんがすかさず
「Shinyongはアメリカ国歌を
覚えなきゃいけないんだから、
代わりにあんたが教えてあげなよ〜」と茶化しました。
私が「歌えるようになりたいけど
本当に難しいのよ」と説明した途端、
彼女が静かに歌い始めたのです。
なんと学生時代、クワイア(聖歌隊)に
所属していたそうです。
すると隣にいた
ベテランの白人女性スタイリストも加わり、
一語一語丁寧に発音を教えてくれました。
私も知っている部分は一緒に歌い……
だんだん声が大きくなり、
サロン全体が歌声に包まれました。
お客さんも他のスタッフも笑顔で拍手。
みんな大笑いです!
その勢いでベテランさんが
「国歌だけじゃなくて、
Pledge of Allegiance(忠誠の誓い)も
覚えた方がいいわよ」
と言い出し、
子供の頃から暗記するあの誓いも
みんなで教えてくれました。
どうやって覚えるかまで熱心に指導され、
まるで押すな押すなの転校生がやってきた
教室のようでした(笑)。
移民として、本当に嬉しかったです。
ただ、黒人のスタイリストが
ふと空気を読んだように
「でも最近の子供たちは……やってるのかな?」
と言うと、
ベテランさんが即座に
「うちはやらせるわよ。
いろいろ言う人はいるけどね」
と答え、私も
「いや、本当に美しかった。
国歌もすごく好きになったよ!」
と感謝して、もう一度拍手しました。
本当に美しいエネルギーに
満ちた空間でした。
同じ頃、我が家からそう遠くない
ユダヤ系教会で銃撃事件が発生し、
犯人は死亡、警備員が負傷するという
悲しいニュースが入ってきました。
トラックには大量の爆発物も見つかり、
ニュースでは教会にいた多くの子どもたちが
大人や警察に守られながら
避難する姿が映っていました。
胸が締め付けられる思いでした。
アメリカも、世界も、
大きな変化の中にいます。
特にアメリカは積極的に
世界情勢を変えていく力を持った国です。
そんな国で、新・日系アメリカ人として
主人と一緒に仕事しながら生きていくことは、
大きな責任も感じます。
日本人からも「アメリカが〜」と
言われることがありますし、
何か起きればアメリカ国内でも
「アジア人は〜」と一括りにされることも
少なくありません。
それでも私は、小さな不満や
無力感に埋もれるつもりはありません。
私にできることをする。
人として正しいことをする。
それだけです。
アメリカ国歌に登場する、
戦い抜いて勝ち取った
星条旗に敬意を払いつつ——
私にとっては、昨日美容室にたなびいた
「美しい友情の星条旗」を、
これからも胸に刻んでいきたいと思います。
人種や肌の色を超えて、
お互いをリスペクトし合える——
そんな世界一のアメリカであってほしいと
心から願っています。
ちなみにブログ内で
「白人」「黒人」「アジア人」と表現するのは、
いまだに肌の色で文化的背景や
価値観が違う部分もあり
(ポジティブな面では、
個性ではないかとすら思っている)
尚且つ、皆さんの脳内描写が豊かになるように
補助的意味でお伝えしています。
日本語で「おばちゃん」と言って伝わる統一感が
このアメリカには多様すぎて、いまいち
わかりにくいところもありますので。
世界一の日本の皆さんも、
これからもどうぞよろしくお願いいたします。





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