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人間の世界を少し上から見てみよう

私は専業主婦ですが、

専業主婦は家事だけに専念するのだから

視野が狭くなることが多いと、

ネットや周囲で耳にすることがあります。


この意見には一理あると感じます。


社会学的研究によれば、

家庭内役割が中心の女性は

社会的孤立のリスクが高まり、

これが認知機能の低下を招く

可能性があるとされています

(Umberson & Montez, 2010)。


つまり、視点が限定されることが

問題の原因になり得るのです。


例えば、ジェンダーと

社会孤立に関する研究では、

女性は中年以降に社会的つながりが減少し、

特に介護や家事中心の生活が

この傾向を助長すると指摘されています

(Cornwell et al., 2008)。


確かに、長期間同じ環境に留まると、

誰しも視点が限定されがちです。


これは専業主婦に限らず、

会社員でも同じです。


外に出れば日々の変化や

刺激がありますから、

家にいる場合よりは視野が

広がりやすいかもしれませんが、

それも程度の問題に過ぎません。


人間は基本的に、

自分が意識している情報しか認識しません。

これは当たり前のようですが、

私たちが瞬間的に受け取る情報は、

実際には周囲の膨大な情報の

ごく一部にすぎないのです

(Kahneman, 2011)。


例えば、転職の相談に来られた方は、

転職という選択肢に意識が集中しがちです。


しかし、占術を用いて

人生全体の設計として広く鑑定すると、

意外な結果に驚かれることがあります。


転職ではなく、結婚、引っ越し、

または一時休職といった選択肢が、

より良い方向に導く場合もあるのです。


同様に、子育て中の親御さんが

お子さんの進学に悩む場合、

特定の学校選びにとらわれがちですが、

視点をお子さんの人生全体や

家庭全体に広げて深掘りしていくと、

根本的な解決策が見つかることがあります。


あるご家庭では、

幼いお子さんの進学について悩んでいましたが、

進学を急ぐ前に世界の教育について

楽しみながら調べることを提案しました。


すると、親御さんはお子さんを

より深く観察するようになり、

夫婦の会話が増え、

育児の夢も広がったそうです。


結果として、無理にお受験を決めず、

貯金に回す選択をしたとのことでした。


視点が限定されることは、

悪いことではありません。

それは誰にでも起こり得る

自然な現象です。


人間は考える生き物であり、

思考を始めると同時に情報を

取捨選択します。


選択肢を絞るのは、

意思決定の過程で当然のことです。


しかし、考え始めたその瞬間に

一呼吸おき、視点の「カテゴリ」を

一つ上げてみてください。


たとえば、以下のように

視点を広げてみるのです:


- お子さんの進学 → お子さんの人生 → 家庭全体

- 転職 → キャリア全体 → 自分の人生


このように目線を上げると、

新しい選択肢や解決策が見えるだけでなく、

悩んでいたことが

本当の問題ではなかったと気づく場合もあります。


社会学的にも、

複数の社会的役割を持つことで視野が広がり、

精神的健康が向上するとの知見があります

(Thoits, 1983)。


ちょっと悩んだり、

考えが煮詰まったりしたら、

「カテゴリを一つ上げる」ことを

試してみてください。


新しい視点が、

きっと道を開いてくれるはずです。

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