人を見る目
- Shinyong the Chameleon

- 9月19日
- 読了時間: 6分
先日、わが家の玄関のベルが鳴り、
若い白人男性が訪ねてきました。
見知らぬ顔でしたので、
カメラ越しに要件を尋ねると、
窓掃除のセールスマンでした。
通常なら「No, thank you」と
断るところですが、
彼は熱心に話しており、
近隣の家も一緒に清掃するので
お得ですよ、という提案でした。
玄関を開けて対面すると、
彼は改めて自己紹介を始めました。
大学で経済を学んでおり、
この仕事はアルバイトとして
手伝っているとのこと。
名刺を尋ねると、
「まだ持っていないが、
すぐに会社から連絡させます」と答え、
近隣の〇〇さん宅と△△さん宅を
明日清掃するので、
わが家もどうかと提案されました。
少し考えました。
旦那さんが不在で、こうした決断は
自分だけで下すのは難しいと感じ、
「また来てほしい」と伝えると、
「見積もりだけでもさせてください」とのこと。
5分ほどで見積もりを作成してくれ、
2階の窓も含めた手頃な価格に納得し、
依頼することにしました。
彼のキラキラした瞳と、
まるで将来の夢を語るように
窓掃除のセールスをしている姿勢に
心を動かされたのです。
近隣の数軒がすでに予約済みとのことで、
質問も済ませたため、
試しに依頼してみることにしました。
彼が帰った後、すぐに携帯に清掃時間と
「スモールビジネスを
信じてくれてありがとう」という
メールが届きました。
誠実な印象を受けました。
ところが翌日、
近隣の家の清掃時間になっても
誰も作業している様子がありません。
セールスマンが話していた
近隣の方に電話すると、
朝方に担当者が来て、
ホースが故障しているため
予約を来週に変更したいと
打診されたとのこと。
わが家には誰も来ていない状況で、
名刺もないため連絡手段がなく、
困り果てていました。
すると、予定の30分前に
トラックが到着。
出て行って
「リスケジュールするんでしょ?
聞いたよ」と声をかけると、
17~19歳くらいの少年が
車から降りてきました。
内心、「え!若い!
本当に大丈夫?」と
苦笑いしました。
トラックの道具は
ホームセンターで売っていそうな
簡素なものに見え、
少し不安が募りました。
(実際はプロ仕様の洗剤が入っていた)
少年は元気よく、
「ホースが修理できたので、
予定通り清掃します! ご心配なく!」と
話してくれました。
いや〜…少年よ。
おばちゃんはちょっと不安よ(笑)
一人で作業するのか、
どのくらい時間がかかるのか、
どのように清掃するのかを丁寧に尋ねると、
少年も私の不安を察したのか、
少し緊張しながら説明を始めました。
それでも、
「やってみよう!」と決め、
少年の作業を見守ることに。
近隣の方にも電話し、
ホースが修理できたので
わが家は予定通り清掃できると伝えました。
すると、
「うちも終わったら
お願いしたい」との依頼が。
少年に相談すると、
快く引き受けてくれました。
作業を見ていると、
少年は窓だけでなくその周辺まで
丁寧にブラシで清掃。
手抜きや怠惰な態度を
見せる大人もいる中
(アメリカではよくあること)、
彼の情熱と迅速さに感銘を受けました。
家の中から様子を伺っていましたが、
その一生懸命な姿勢に心を打たれ、
チップを多めに渡したいと
嬉しく思うほどでした。
そこへ、先ほど電話した
近隣の奥さんがやってきて、
作業中の少年に話しかけてきました。
作業を中断させ、
洗剤の使い方や
水をかけた後の処理方法などを
高圧的に質問する様子に、
私は少し不快に感じました。
少年は驚きながらも
丁寧に答えていましたが、
奥さんが何度も「本当に大丈夫?」と
念押しするので、
私も助け舟を出すことに。
「そんなに心配なら、
うちの作業が終わったら
見て決めればいいよ」と
笑顔で伝え、
ようやく質問攻めが終わりました。
(奥さんの身なりを褒めてあげたら
気分を良くして帰ったw)
奥さんは高齢でもあるし
初めての業者に対する
懸念からくるものかもしれません。
私も最初は少し不安でした。
作業再開後、少年に
「悪気はないのよ。
心配だっただけ。
大丈夫」と伝えると
「助けてくれてありがとう」と
返事しました。
彼は全力で窓を磨き、
2階までピカピカに仕上げ、
メンテナンスのアドバイスまでしてくれました。
作業時間は約2時間。
支払い時に、
「チップは現金で直接渡します」と伝え
(アメリカではチップが労働者の
大きなモチベーションです)
少し多めに渡すと、
少年はキラキラした瞳で
何度も心からの感謝を伝えてきました。
その純粋な笑顔に心が温まりました。
その後、奥さんが再び
「どうだった?」
「うちも今やってるけど大丈夫?」と
しつこく聞いてきて、
少し残念な気持ちになりました。
見てごらんなさいよ、と。
少年は一生懸命、
丁寧に作業しているのに、です。
自分で窓を掃除するのは
特に2階では大変な労力です。
それを考えると、彼らの努力は
本当に価値あるものです。
アメリカでも、
工事現場やファーストフード店で
働く人を軽視する人がいます。
日本でも似たようなことは
あるのではないでしょうか。
高圧的な態度や疑いの目で
接する人を見ると、
気分が悪くなります。
私は少年に身分証を
求めまではしませんでしたが、
名刺もなく、
どこの誰かわからない状況では、
旦那さん不在時に家に上げることは
絶対にしないと決めていました。
それでも、少年たちの努力を
もっと認めてあげてほしいと感じました。
サービスを依頼したのはこちら側です。
それなのに高圧的な
態度を取るのは矛盾しています。
私はそういう態度が苦手で、
奥さんへの見方が
少し変わってしまいました。
損をしないことや
騙されないことばかり考えるのは、
どこか残念な印象です。
そう思うのなら対策と解決法を
自分で用意して臨むべきです。
セールスマン
(実は高校生で、来年大学生だとか!)も、
清掃してくれた少年も、
わが家に来てくれてありがとう、
という気持ちになりました。
後日、会社から
レビュー依頼のメールが届き、
迷わず5つ星を付けました。
他のレビューも見ると、
多くの方がこの若者たちの
ビジネスを高く評価し、
応援していました。
総合評価は4.8星。
やっぱりね。
間違っていませんでしたね。
レビュー後に
「僕たちを信頼してくれてありがとう」と
返信があり、
嬉しく思いました。
もし会社にウェブサイトがないなら、
セールス時にこのレビューを見せるといいよ、と
今度伝えようと思います。
人を正しく見る目と、
誠実な人格を育むことの大切さを
改めて感じました。
全ての人に優しくするのは難しいですが、
良い人や頑張る若者を見誤るのは
もったいないことです。
私たちは人と支え合うことの大事さを
知っているわけですから、
基本的に人にはナイスに対応したいところです。
私も社会的には笑顔で接しますよ。
でも、「違う」と思ったら
笑顔もポーカーフェイスに戻し、
さっとその場を離れます。
決して誰とでも
親密になれるわけではありません。
若い頃はそれが
うまくできなかったですけどね…。
皆さんはいかがですか?
この経験は、私にとっても
貴重な人生の教訓となりました。
心に余裕を持ち、
正しい行動ができる
自分でいたいと思います。





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